人間が矛盾する認知を同時に抱えた状態や、そのときに覚える不快感を表す社会心理学用語に「認知的不協和」があります。
かつては、現実と理想に悩むのであれば、理想を引き下げることで認知的不協和を解消するしかありませんでした。しかし、今ではネットやアプリによって、理想を変えずに現実の自分を仮想世界で変えられるようになりました。現実と理想とは別に、現実と仮想現実の自分に悩むという、新たなギャップが生まれているとも言えます。
実際、他者の視線と自尊心は関係性が深い。当連載でも、過去に「化粧をすると自尊心が向上する」という研究を紹介しましたが、自尊心の低下は社会的感情に悪影響を及ぼす可能性があると示唆されています。知らず知らずにアプリで加工を繰り返していると、無意識のうちにリアル社会における自尊心を低下させてしまうわけですから、加工はほどほどにとどめておくことが賢明でしょう。
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