篠山紀信さんも坂田利夫さんに続き…27年間で8.3倍増の「老衰」とは穏やかな最期なのか?

老衰で亡くなった篠山紀信さん(C)日刊ゲンダイ

 末期のがん患者の場合でも、抗がん剤などの副作用や激痛で食べられないケースを除くと、自然と食事と水分が取れなくなって徐々に意識が弱くなり、傾眠傾向が続いて最期の時を迎える。

「死を看取る側にとって大事なことは、枯れるような死に向かう準備の段階では何もやらないこと。それこそが最良な医療なのです」(山中院長)

■男性よりも女性が多く60代でも

 そんな老衰は近年、急激に増えている。厚労省発表の人口動態統計2022年(確定版)によると、老衰は1995年の総死亡数92万2139人のうち2万1493人(男性6684人、女性1万4809人)だったが、2022年には156万9050人中17万9529人(男性4万9964人、女性12万9565人)と8.3倍に増加している。

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