篠山紀信さんも坂田利夫さんに続き…27年間で8.3倍増の「老衰」とは穏やかな最期なのか?

老衰で亡くなった篠山紀信さん(C)日刊ゲンダイ

 総死亡に占める割合も2.3%から11.4%に増え、死因における老衰の順位も1995年の6位から2022年には3位にアップしている。

 なお、老衰における男性の割合は31%から27%に低下し、女性の割合は68.9%から72.2%と増えている。

 興味深いのは死因が老衰とされた年齢で、先述した人口動態統計2022年(確定版)によると、70代5938人、80代5万573人、90代10万4492人、100歳以上1万8210人だったが、60代でも313人もいた。

 では、なぜ、老衰は増えているのか?

 医学の進歩により「病気」で亡くなる人が減り、天寿を全うする人が増えてきたのも事実だが、それだけではない。かつては、死亡欄に死因不明の老衰と書くのを医学の敗北と考える医師が多く、「心不全」などともっともらしい病名を書いた。しかしその後、死亡診断書記入マニュアルに、世界保健機関(WHO)のルールを理由として「(死亡の原因の欄には)疾患の終末期の状態としての心不全、呼吸器不全等は書かないようにします」との注意書きが加わった。

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