Dr.中川 がんサバイバーの知恵

古村比呂さんは16回目の治療…がんの種類やタイプによっては「抗がん剤」で長生きできる

池江璃花子さんは白血病から復帰(C)日刊ゲンダイ

「これから16回目の抗がん剤治療です」

 今月11日、自らのブログにこう記したのは、女優の古村比呂さんです。医師に子宮頚がんの再発を告げられたそうで、改めて抗がん剤治療に臨むといいます。

 読者の中には、16回に及ぶ闘病の長さに驚かれる人もいるかもしれません。しかし、子宮頚がんを組織で分けたとき、8割程度を占める扁平上皮がんは、比較的抗がん剤が効きやすいタイプです。再発や転移があってもうまく治療を続けて、古村さんのように前向きに生活されている方は決して珍しくありません。

 進行や再発した子宮頚がんで使用される抗がん剤は研究が進み、複数の薬剤を組み合わせるのが主流になっています。一般にはタキサン系製剤とプラチナ系製剤を重ねる組み合わせで、「パクリタキセル+シスプラチン」や「パクリタキセル+カルボプラチン」などがよく知られます。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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