ほかにも、弁を交換する再手術で高い技術が求められるケースがあります。初回の手術で生体弁を設置して、縫合は緩むことなくしっかり生体弁は固定されているのに、生体弁の中身の部分だけが劣化してしまい、再手術で交換が必要になる場合です。こうした状態では、生体弁が設置されている周囲の生体組織がダメージを受けていることが多いので、古い生体弁を取り外す際の技術的な難度が高くなるのです。
人工弁の再手術のリスクをなるべく低くするためには、初回手術での不十分な処置を減らす外科医の努力が必要といえるでしょう。
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