時間栄養学と旬の食材

【オートミール】腸内環境を整える食物線維が白米の30倍、玄米の3倍

(C)Arx0nt/iStock

 オートミールはオーツ麦を加工して作られるシリアル食品で、その名前は「oats(オーツ麦)」と「meal(食事)」の語句を組み合わせたものです。日本では燕麦と呼ばれ、小麦や麦、トウモロコシなどと同じ穀物の一種として栽培されています。欧米では一般的に朝食として広く食べられることが多く、ビスケットやクッキーの材料としても使用されます。

 特徴的なのは、小麦よりもタンパク質と脂質が多く、精白処理が行われていないため、果皮、種皮、胚、胚乳表層部などに栄養成分が残り、高い栄養価が保たれていること!

 起源は紀元前で、中央アジアで雑草として栽培が始まりました。紀元前1000年頃に中央ヨーロッパで栽培が本格化し、一部は家畜のエサとして使用されました。その後、イギリスに伝わり、オートミールが開発され、17世紀にアメリカにも広まったと言われています。

 日本には明治時代に伝わり、北海道でのオーツ麦生産が盛んでしたが、食用として販売されるようになったのは1933年から。押し麦機の発明が食事の調理を容易にし、20世紀初頭には欧米で一般的な食品となりました。近年、健康やダイエットに対する関心が高まり、その栄養効果の高さからオートミールが注目を集めているところです。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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