子供の病気かと思ったら…「大人の中耳炎」には背後に深刻な病気が隠れている危険が

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「私が総合病院に勤務していた際に診た60代の男性は、耳閉感で来院されました。滲出性中耳炎と診断しましたが、問診で最近鼻血が出るというので上咽頭を見るために鼻からファイバースコープを挿入して確認したところ、上咽頭がんが見つかりました。がんの治療を行いながら、鼓膜を切開してたまった水を抜き、鼓膜に細いチューブを挿入して換気を行う滲出性中耳炎の治療を並行した結果、耳閉感の症状は改善されました」

 上咽頭がんは初期には自覚症状が現れにくい。がんが発見された際に多く見られる症状に「頚部のしこり」がある。その他、「耳閉感」「聞こえづらさ」などの耳症状や「鼻づまり」「鼻血」などの鼻症状、「物が二重に見える」などの脳神経症状も見られる。一見、関連のなさそうな耳の症状から上咽頭がんの診断にたどり着くこともある。ただ、医師によっては滲出性中耳炎の症状が長引いてから上咽頭を確認するケースも少なくないという。

「大人の方で滲出性中耳炎を患っていたり、急に発症して上咽頭がんが心配であれば、ホームページやブログなどで滲出性中耳炎と上咽頭がんの関連について記載しているクリニックを受診するといいでしょう」

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