2型糖尿病なら注目したい 慢性腎症リスクを低下させる飲み薬

副作用が少なく、血圧や血糖値も下がる(写真はイメージ)

■透析を回避する可能性も

 フィネレノンはその働きにより、慢性炎症や線維化による腎臓のダメージを抑えることが期待されており、その結果として、透析を回避して天寿をまっとうすることも可能にしてくれるのではないか、と考えられている。

 フィネレノンの利点はそれだけではない。MRは腎臓の糸球体や尿細管の細胞表面上だけでなく、血管や心臓など体全体の細胞に発現しているため、血管や心臓の線維化をも抑えることができると考えられている。

 実際、フィネレノンを使った幅広い心不全の患者を対象とした、有効性と安全性を評価する臨床試験がスタートしており、心不全の治療薬としての働きも期待されている。

「心不全の治療は、利尿剤によるうっ血の回避など、治療法が限られていましたから、フィネレノンが適応拡大すれば、心臓病の患者さんにとっても朗報となるはずです」

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