日本では、心臓にトラブルを引き起こす一番の要因は「高血圧」だと以前お話ししました。血圧が高くなるとポンプである心臓が全身に血液を送り込む際により大きな力が必要となり、それだけ負担がかかります。血管にも大きな圧力がかかるので、血管の内壁が傷ついて動脈硬化や瘤化が起こりやすくなります。すると狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、大動脈解離といった突然死の危険がある心臓疾患につながるのです。
血圧を病院で測定した場合、「上(収縮期血圧)120㎜Hg未満/下(拡張期血圧)80㎜Hg未満」が紛れもない正常の範囲で、「上140以上または下90以上」になると高血圧と診断されます。現在、日本では約4000万人が高血圧に該当すると推定されています。血圧を気にして普段から血圧計で測っているという方も少なくないでしょう。ただし、血圧は測定する状況やタイミングによって数値が変化するので、正常値周辺の人は繰り返し毎日測定したり安静時に測定する習慣を持つなどの注意が必要です。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」