老親・家族 在宅での看取り方

在宅医療で気になることができたら大したことがないと思っても電話してください

相談しやすい雰囲気づくりが大切(C)日刊ゲンダイ

「いつも輸血をしていただいている者です。両腕に大きなあざができてしまって……。先生に伝えてもらえますか」

 ある日のことです。当院で在宅医療を最近始められた患者さんのご家族から、このような電話がありました。

 気になることが生じたときは遠慮なくいつでも連絡してくださいと、日頃から患者さん、ご家族にお伝えしています。

 患者さんやご家族が最初は連絡をためらい、しかし「一応、念のため」と連絡をくれ、その結果、重篤な状態に陥ることを回避できたケースは数限りなくあります。言い換えれば、その逆も。

 大したことがないように思える話でも、医師が聞けば非常に重要な病変の兆候を読み取ることができるかもしれない。

 とはいえ、どのようなときに電話したらよいのか迷うもの。患者さんやご家族の性格でも異なります。私たちが言っているのは「少しでも違和感を覚えたら」。

1 / 3 ページ

下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

関連記事