「全身性エリテマトーデス」ってどんな病気? 症状さまざまで診断困難

若い女性に多い(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 この10年で、新たな免疫調整・抑制薬や分子標的薬が登場し、治療選択肢が増えた。ステロイドを中心とした治療から、必要時にはステロイドを使うものの、ステロイドに依存せず、最終的にステロイドを中止するという流れに変化してきている。

「ステロイドは副作用がありますが、正しく使えば副作用を最小限に抑えられます。必ずしもずっと使い続けるわけでもない。自己判断でやめることなく、主治医の指示に従って使ってほしい」

 9割が女性で、20~40歳での発症がほとんど。SLEでない者も知っておくべきことは?

「SLEには特有の倦怠感、疲労感があり、薬を正しく使い、病勢がコントロールされていても、倦怠感が残ることは珍しくありません。SLEという病気を理解し、だるそうにしていても『怠けている』などと思わないようにしていただきたい。上司なら、働き方の見直しも検討してください」

 はっきりした原因がわかっていないSLE。遺伝との関係が指摘されているが、100%遺伝ではない。もちろんコントロールがうまくいっていれば妊娠・出産は可能だし、生まれてきた子供が将来SLEを発症するとは言えない。

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