これまでの治療が効かない「新型副鼻腔炎」とは?

「好酸球性副鼻腔炎は、原因がまだはっきりと分かっていません。残念ながら完治のための治療法もなく、維持療法は生涯続きます。しかし、その効果は大きく、日常生活に影響が出ないレベルまで症状は改善します」

 気になるのは、どういう人が従来の慢性副鼻腔炎ではなく、好酸球性副鼻腔炎が疑われるか、だ。診断基準は現在検討が行われている最中で、まだ確立していない。ここ数年中にはできる予定だ。

「現段階では、手術の時に採取した鼻の組織に好酸球がある数以上存在していれば、好酸球性副鼻腔炎の可能性が高いと判断し、手術後から鼻洗浄と点鼻薬を行ってもらいます」

 前述の通り、好酸球性副鼻腔炎には共通点がある。好酸球が多いという以外には、「鼻ポリープがある」「鼻汁がにかわ状(粘りが強い)」「嗅覚障害がある」「目と目の間辺りに炎症が集中している」「副鼻腔炎が鼻の両側にある」「症状が進行すると好酸球が多い耳だれ(耳漏)が出る」「喘息(ぜんそく)を合併している」など。

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