「そんな中、糖尿病で今一番怖い合併症は“がん”です。日本人の死因1位であるうえ、糖尿病の人はそのリスクが非常に高いからです。九州大学の研究では、普通の人に比べて3.7倍もがん発症リスクが高いとされています」
実際、「糖尿病とがん」については国内外から同様の報告が複数なされ、日本がん学会と日本糖尿病学会が合同で専門家委員会を設けるほど問題視されているのだ。
「糖尿病が怖いのはがんだけではありません。米国では糖尿病患者の実に7割が脳梗塞、心筋梗塞により亡くなります。日本でも脳梗塞になった人の半分、心筋梗塞になった人の3分の1が糖尿病だという報告もあります。また、糖尿病の人は脳の一部が萎縮し、認知症になりやすいことも明らかになっています」
■患者が心臓CTを受けたところ15%に重大問題
本来、こうした病気は自覚症状があるものだが、糖尿病患者は神経が障害され、自覚できないケースが少なくない。