市販薬も効かないしつこい“かゆみ”には「重大病」が潜む

角質細胞もバラバラに/(C)日刊ゲンダイ

 空気の乾燥が原因ではなく、体内に生じた病気の影響で皮膚が乾燥して起こるかゆみが危ないのだ。

 疑われる病気はいくつもある。中でも多くみられるのが腎不全などの腎機能障害だという。

「慢性腎不全や尿毒症になると、オピオイドと呼ばれる体内物質のバランスが崩れ、かゆみを起こすオピオイドが、かゆみを抑えるオピオイドより多くなります。人工透析でも強いかゆみが続き、長年、多くの患者さんが耐えられないほどのかゆみに悩まされています」

 近年、かゆみを起こすオピオイドを抑える薬が開発され、多くの患者がかゆみから解放されたという。

 肝硬変や、肝臓を患うことで併発する原発性胆汁性肝硬変も、難治性のかゆみが表れる。肝臓の中の胆管が炎症によって破壊され、胆汁中のビリルビン成分が全身にまわり、激しいかゆみを生じさせる。原因不明とされてきたが、オピオイドの発見によりナルフィラフィン(カッパーオピオイド受容体作動薬)の効用も確認された。

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