タレントの愛川欽也さんが今年4月、肺がんのため80歳で亡くなりました。“キンキン”の愛称で親しまれた「マルチタレント」で、俳優、声優、ラジオパーソナリティー、エッセイスト、司会者と幅広く活躍。3月7日(収録は2月4日)の放送を最後に、20年間にわたって1000回の司会を務めた人気番組「出没!アド街ック天国」を降板してから、わずか1カ月後の訃報でした。
一部報道では、「急死」と伝えられましたが、誤解です。たしかに、亡くなる2カ月余り前まで、元気に司会を務めていたわけですから、急病のように思われるかもしれません。しかし、治療法次第で、がんは亡くなる直前まで、ほぼ普通の生活を送ることができる病気です。
愛川さんの肺がんは、全身に転移していたようですが、末期がんを抱えながらテレビで活躍したのは、愛川さんだけではありません。
平成22年、胆のうがんで亡くなった元日本ハム監督の大沢啓二さんは、私の患者さんでした。78歳で亡くなる直前まで、テレビに出演され、「あっぱれ!」「喝!」と大声を出されていたのが印象に残っています。共演者の方々も、大沢さんが末期がんだとは気づかなかったそうです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁