その病院では、足の静脈を使ったバイパス手術をすすめられたといいます。しかし、年齢を考えると、この先50年近くは問題なく長持ちする血管を使う必要があります。足の静脈は使えません。
そこで、私は左右の内胸動脈と右胃大網動脈を使いました。いずれも耐久性に優れた血管なので、糖尿病のケアさえしっかり行えば、寿命を迎えるまでもたせることができます。3本の血管を採取して組み合わせ、5カ所のバイパス手術を終えると、ヘトヘトだった心臓はドクンドクンと活発な拍動に戻りました。
このように、冠動脈バイパス手術を受ける際には、オフポンプ手術と長持ちする血管をバイパスとして使ってくれる病院を探してください。病院のホームページなどで症例数や実績をチェックする以外に、判断基準となるのが「入院日数」です。短いところは、手術のクオリティーも高いと考えていいでしょう。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」