プロフェッショナルならば「正確無比」は当たり前です。患者さんと対峙したら、体が自然に反応するぐらいにならなければいけません。それには、ひたすら経験を得て、繰り返し繰り返し同じ訓練を積んでいくしかない。自分の中で、「これはダメだ」とか「これ以上やっても……」といった気持ちを持っては絶対にいけないのです。
ゴルフの試合を見ていると、プロでもドライバーを曲げる選手がたくさんいます。しかし、自分が手術をしているとき、「あ、ドライバーが曲がったな」と思うような瞬間はまずありません。私からすると、プロゴルファーの多くは、まだまだ練習が足りないのだと思います。
私は、手術記録を部下には任せず、自分で書くようにしています。プロである以上、手術のポイントになる良い部分、悪い部分を文章と画像ですべて頭の中に入れておきたいからです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」