また、心臓手術には「患者さんの快適な予後をつくることができる」という大きなメリットがあります。心臓病を患って、薬物治療やカテーテル治療といった内科治療を受けた人よりも、外科手術を受けた人の方がリラックスした人生を送れるケースが多いように感じます。患者さんには「悪いところをすべて治してもらった」という意識があり、それまで抱えていた大きなストレスから解放されるのでしょう。
心臓手術を受けた後、生活が一変したという患者さんはたくさんいます。「それまでは心臓がここまで拍動したら必ず詰まるような感覚があったのに、それがなくなってちゃんと胸が高鳴るようになった。心臓が元気になった」と喜んで報告してもらえたときは、こちらもうれしくなります。
心臓は、ホルモン分泌や自律神経の働きにも関係しているので、手術を受けた後に肌のツヤがよくなったり、白かった髪の毛が黒くなる人もいます。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」