今押さえておきたいがん治療

小児の白血病 治る時代。必要なのは長期フォローアップ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 急性リンパ性白血病の治療は、副腎皮質ホルモンと抗がん剤数種類を4~6週間投与する「寛解導入療法」から始まる。「寛解」とは、骨髄中の白血病細胞が5%未満まで減った状態。

 続いて、残った白血病細胞を殺すため、さらなる抗がん剤投与などで寛解の程度をより深める「強化療法」、根治目的で外来で経口抗がん剤を1~2年投与する「維持療法」の3段階で進む。再発したり治療の効果がなければ、造血幹細胞移植などを検討する。

 近年、注目が高まっているのが、小児がんの長期フォローアップの必要性だ。

「小児がんは治療を終えてからの人生が長く、白血病の治癒から何年も経って薬の合併症が出てくる『晩期合併症』という問題が起こることがあるのです」

 成長障害(低身長)、不妊、2次がんなどだ。小児がんが治癒した後も定期的に病院に通い、検査を受けることが望ましい。しかし、成人してからは医療費補助の対象から外れて自己負担額が発生することもあり、「今は元気で問題ないから」と病院に来なくなる患者もいる。

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