独白 愉快な“病人”たち

絵本作家 有田奈央さん(36) 脳梗塞

有田奈央さん(C)日刊ゲンダイ

 駆けつけてくれた友人は、私の様子を見てびっくりし、脳の病気かもしれないからとすぐに病院に電話して救急車を呼んでくれました。幸い近くに脳神経専門の病院があったので、そこに搬送されてすぐにMRI検査をしたところ、「脳梗塞」と診断されて即入院です。右側の脳の血管の一部が詰まっていると告げられた時の衝撃は今でも忘れられません。

 脳梗塞といえば「お年寄りの病気」という先入観があった私は、当時まだ34歳。「なぜ私が!?」と、病室で眠れないまま一体何が原因なのか考えました。運動不足、甘い物の食べ過ぎ、ストレス……。それにしても、脳梗塞で体が動かなくなるなんて、一晩、寝て起きたら全部夢だといいのに……。翌朝、目覚めた時は生きていることに感謝しました。

 治療は点滴と飲み薬で進められ、入院3日目からリハビリが始まりました。私のように半身麻痺などの障害を伴ってしまった場合、発症してすぐにリハビリすることが特に大事だと言われました。麻痺しているからと動かさないでいると、後遺症の度合いがかなり違ってくるというんです。

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