外科的治療として代表的なものは頚動脈を露出し、狭窄の原因となっている動脈硬化の塊(粥腫)を除去する「頚動脈内膜剥離術」(CEA)です。
麻酔をして頚部の皮膚を数センチ切開し、頚動脈を露出します。動脈を切開して、内シャント(頚動脈と末梢の内頚動脈をチューブでつなぐことにより、動脈血を脳に流す方法)などを作り脳の血流を維持、狭い部分の内膜や血栓をきれいに剥離摘出します。症状がない場合は脳梗塞などの合併症リスクはおおよそ3%以下ですが、症状があったり脳梗塞既往や他の心血管系の病気があったりするときは、数%に上ることもあります。
血管内治療法は「頚動脈ステント留置術」(CAS)が主体で、足の付け根の動脈からゴム風船(バルーン)付きのカテーテルを挿入して、狭窄部を広げます。そしてステントと呼ばれる網目状金属の筒を留置して狭窄部を拡張させる治療法です。
しなやかな血管が命を守る