しなやかな血管が命を守る

【脳梗塞の発症予防】 頚動脈硬化の治療は薬より手術

東邦大学佐倉病院の東丸教授(C)日刊ゲンダイ

 これは、直近の脳梗塞、虚血性心疾患や呼吸器疾患がある場合や、高齢や全身状態が悪いため手術が困難な人が適応となります。合併症は急性心筋梗塞なども含め0.5~6%です。70%以上の頚動脈狭窄では、内科的治療よりステントや剥離術の方が脳梗塞の発症を有意に予防できることが証明されています。術後の経過も良く、欧米の報告では、1年後の再狭窄はCASで3~6%、CEAでは3%以下と報告されています。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。