まずは、頚動脈硬化の内科的治療(薬物治療)です。生活習慣病の中でも特に高血圧症や脂質異常症をお持ちの方は、その管理や治療にまじめに取り組むことが大切です。脂質を下げるスタチンという薬で、脳動脈硬化を改善し、降圧療法や脂質を下げることで、脳梗塞の発症が2~3割程度減少したというデータもあるのです。
治療には血栓を予防する抗血栓薬を服用します。具体的にはアスピリン、チクロピジン(パナルジン)、シロスタゾール(プレタール)、クロピドグレル(プラビックス)などいわゆる“血小板が固まるのを防ぎ血液をさらさらにする抗血小板薬”です。これらの薬は、脳梗塞の発症予防に一定の効果があることが証明されています。アスピリンを主とした研究では、脳梗塞の再発予防として1~3割くらいの効果が報告されています。
しかし、高度の頚動脈狭窄症では内科的治療だけでは不十分です。脳の血流不足によるTIAなどの症状がある場合は血管の内径が50%以上、無症状でも60%以上の狭窄があれば、外科的治療か血管内治療が検討されます。血管が80%以上詰まっていれば、治療は待ったなしです。
しなやかな血管が命を守る