医療用語基礎知識

【X線検査】間接撮影の被爆量は直接の10倍

 これに対し、「間接撮影」と呼ばれる方法があります。透過したX線をいったん蛍光板と呼ばれるスクリーンに当てて紫外線像に変換し、それをフィルムに焼き付けます。使われるフィルムは10×10センチとかなりコンパクトになり、経済的です。フィルムがロール状になっていて自動で巻き上げができ、フィルムセットに要する手間が省けるといった利点もあります。さらにシャウカステン(X線写真を診断するための照明板)に、一度に何枚分もセットできるため、診断効率も上がります。効率が重視される集団健診で、昔から使われ続けてきた方法です。

 ただフィルムが小さいので、直接撮影と比べて病巣を見落としやすいといわれています。理論上は、解像度にほとんど差はないといわれていますが、写真でチェックするのは生身の医師です。フィルムが小さいよりは大きいほうがわかりやすいのは、いうまでもありません。しかも健診写真の診断は、昔から主に新米医師のアルバイトとして行われてきたという経緯もあります。そのため健診で異常が見つかったときには、すでに手遅れの場合が多いという医者もいるほどです。

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やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。