医療用語基礎知識

【血液検査】赤血球が少なければ貧血、多ければ血管が詰まる

 しかし基準値よりも多いこともあります。赤血球が多い分、血が濃いわけです。その場合は多血(症)と呼ばれます。多血は男性に多い傾向にあります。とくにヘビースモーカーは、多血になりやすいことが知られています。ただちに問題というわけではありませんが、血が濃いだけに、血管が詰まりやすくなるといわれています。つまり、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすいのです。

 献血で血を抜く人がいます。また、瀉血といって、文字どおり血を抜く治療法もあります。しかし効果は一時的。多血の改善には、生活習慣を改めるなど、抜本的な対策が必要です。

 ヘモグロビンは、赤血球に含まれているタンパク質です。これこそが、酸素運搬の主役です。肺で吸収された酸素は、ヘモグロビンと結合して、全身に運ばれていくのです。ヘモグロビン量は、血液1デシリットル(1デシリットルは100㏄)中の重さで表します。基準値は、男性で13・0~16・6グラム、女性で11・4~14・6グラムです。

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やなぎひさし

やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。