乳がんは、乳房を温存できるような進行が遅い穏やかなタイプがある一方、進行が速く悪性度の高いタイプもあります。北斗さんは年明けに最初の症状を自覚していますから、秋の検査からおよそ3~4カ月でがんができていたようです。
ですから、マンモグラフィーが陰性でも、日ごろからのセルフチェックが欠かせません。「検査したから大丈夫」という安心感を持ち過ぎるのも危険です。穏やかなタイプと悪性度が高く進行が速いタイプの頻度はおよそ4対1。およそ2割の進み方が速いタイプを想定して、セルフチェックをしておくことが大切です。
それが、自分による触診と視診。もちろん、これも万全ではありませんが、パートナーによる触診がキッカケで発見されるケースも少なからずあります。マンモグラフィーを過信せず、ぜひセルフチェックも心掛けてください。
中川恵一・東大医学部付属病院放射線科准教授
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁