レジリエンス高め若々しく生きる

「命のロウソク」テロメアを長く保つ

 実際に、テロメアの長い人の方が長生きであることが医学誌「ランセット」に報告されています。また、テロメアが長い人は顔のシワが少なくて見た目が若く、逆に短い人は動脈硬化の傾向が強く、狭心症や心筋梗塞が多いこともわかっています。命のロウソク=テロメアを長く保つことができれば、レジリエンスを高めることができるのです。

 その長短は多少の個人差はあるものの、努力することで短縮を予防できます。そのひとつが、「ちょっと汗ばむ程度の運動」です。同じ遺伝子を持っている双子で調べてみると、運動の習慣を持っている方がテロメアが長いことがわかっています。

 食生活では「葉酸」というビタミンがテロメアを保護してくれます。葉酸はブロッコリーに多く含まれています。また、赤ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」、青魚に豊富な「EPA」、アミノ糖のひとつ「グルコサミン」もテロメアを守ります。

 逆に、喫煙、過度なストレス、うつ状態などはテロメアを短くする要素であることがわかっています。

 テロメアを長く保てば見た目が若くなり、長寿につながります。長くするのも短くするのも、あなたの生活次第です。

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江田証

江田証

1971年、栃木県生まれ。自治医科大学大学院医学研究科卒。日本消化器病学会奨励賞受賞。日本消化器内視鏡学会専門医。日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染認定医。ピロリ菌感染胃粘膜において、胃がん発生に重要な役割を果たしているCDX2遺伝子が発現していることを世界で初めて米国消化器病学会で発表した。著書多数。