他にも、長時間座っているとホルモンの分泌に悪影響を及ぼして中性脂肪を燃焼する効率が低下したり、善玉コレステロールを減少させる。血管の機能が低下して血液の循環が悪化し、心臓に負担がかかるなどの悪影響があることもわかっている。米国の研究では、座っている時間が長い人は、あまり座らない人に比べ、心臓発作や脳卒中などの心血管疾患による死亡リスクが18%、がんの発症リスクが13%上昇すると報告されている。
貧乏ゆすりには、そうしたさまざまなリスクを減少させる可能性があるのだ。
「足を小刻みに揺らす貧乏ゆすりは、足の筋肉を収縮・弛緩させ、血流を促す行動ともいえます。座ったまま足を動かさないことによって生じる悪影響を解消する働きがあることも考えられます」(辛院長)
貧乏ゆすりの“効果”については、他にも数多く報告されている。合計2時間半の貧乏ゆすりをしていると、200キロカロリーを消費するという研究がある。これは、世界保健機関(WHO)が肥満予防のために推奨している「1日当たりで余計に消費すべき量」に相当するという。