最新がん治療の「陽子線療法」 どんな場合に受けるべきか?

難易度の高いがんこそ有効(C)日刊ゲンダイ

 粒子線は夢の治療のようにいわれているが、進行したがんに行うことが多く、副作用が全く出てこないケースは少ない。口が開きにくくなるなどの障害が起こることもある。治療後、放射線治療医がきちんと定期的に経過観察を行っているか。副作用が出たら対処してくれるか。再発しても対処してくれるか。陽子線療法を受けたいと考えたら、これらが病院選びのポイントになるという。

「陽子線療法を行う医療機関の中には、陽子線は照射するが、その後に再発や障害が出ても、『地元の医療機関で対処してもらって下さい』というところもあるのです。自分たちが治療した患者の再発や副作用と向き合わない放射線治療医は、うまく治らなかった患者からの苦情を直接聞くことがないため、同じ誤りを繰り返します」

 どのがんに対して陽子線療法を行っているかもチェックした方がいい。前述のとおり、陽子線は難易度の高いがんほど適している。一方、陽子線でなくても、ほかの治療法で高い成績を出せるがんもある。

「一例を挙げれば、前立腺がんがそうですが、“陽子線療法を最も多く行っているのは前立腺”という医療機関が実は多いのです」

 患者が希望した上でのことならいいが、ほかの治療法との比較を知らずに高額のお金を出したというのなら、ハッピーではないだろう。

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