愉快な“病人”たち

プロゴルファー 田原紘さん (72) 一過性脳虚血発作 ㊦

(C)日刊ゲンダイ

 脳の回復はある日突然やってきました。去年の10月、ふと試してみると、5年の空白期間を経て、例の“横サイン”が書けるように戻った。翌々月の12月にオーストラリア銀行丸の内支店に行って、やっと預金を引き出すことができました。そして今年の2月ごろ、いつの間にか元の「悪い箸の持ち方」で食べていた。

 これをきっかけに体が戻り、自分の思い通りのスイングで振れるようになりました。生きているといいことがあるね。

 今、6年目にして脳梗塞になる前の右手のグリップの感覚が戻って、思った通りに振れるようになった。
「そうそう、この感じだった!」

 6年待ち続けてやっとですよ。

 今5日目ですが、もううれしくてね。この感覚を忘れないように朝5時から素振りしていますよ。

 今度は年齢数以内のスコアで回る「エージシュート」に挑戦したいと思うようになりました。ゴルファーである以上成し遂げたいね。

 そうそう、脳梗塞をきっかけに矯正した箸の持ち方はすっかり元に戻ってしまって器用につまめなくなったので、妻に「キャベツの千切りは大きく切ってくれ」って頼んでいますよ。

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