独白 愉快な“病人”たち

漫画家 武田一義さん (38) 精巣腫瘍 ㊦

(C)日刊ゲンダイ

 闘病記を描こうとした時、リアルすぎて読む人がつらくならないように、画風もほのぼのタッチにしました。以前の画風は劇画風なんですが、劇画タッチじゃ現実を突きつけられているようできつく感じるので、あえてほのぼのさせて、お金と時間経過はぼかしました。その代わり、心情的なところをリアルに描いたつもりです。

 がんの経験を通して、「悲しいことを悲しく見せない」作風が自分のカラーのひとつになっていったらいいのかなと思っています。

▽たけだ・かずよし 1975年、北海道生まれ。「GANTZ」で有名な奥浩哉氏のアシスタントを経て、2012年、36歳の時に自身の精巣腫瘍についての闘病記を記した「さよならタマちゃん」で漫画家デビュー。14年同作でマンガ大賞3位。「おやこっこ」をイブニングで連載中。妻で漫画家の森和美さんも今夏から「シカルンテ」(仮)をイブニングで連載開始予定。

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