私は産業医資格を有する精神科医であり、ストレスチェック後の医師面接を行う側です。その場合、事前に想定していることは、医師面接の場面で、こころの健康とは直接関係のない話題が出される可能性です。
面接指導において、医師はストレス要因(人間関係、業務・役割の変化)、周囲のサポート状況などを従業員に尋ねるべきとされています。医師がこれらについて尋ねると、はからずも当該従業員から職場についての感情的な不満を引き出してしまう場合はあり得ます。
ただし、医師に課せられていることは、あくまでもメディカルな指導です。第1に「保健指導」であり、第2に「受診勧奨」です。後者は、必要な場合にのみ、ごく控えめに行うにすぎません。中心は何をおいても保健指導にあり、ストレス対処法等のセルフケアの方法を指導することです。本人と一緒になって会社と対決することではありません。
薬に頼らないこころの健康法Q&A