独白 愉快な“病人”たち

お笑い芸人 ハウス加賀谷さん (39) 統合失調症 前編

(C)日刊ゲンダイ

 そんなグループホームを1年ほどで卒業し、お笑いの世界に飛び込んだ。病気もキャラクターとして受け入れられ、生きている手ごたえを感じ、僕の居場所はここだと実感したんです。それが「ボキャブラ天国」など、お笑いブームで忙しくなるにつれ、次第に精神的に限界にきてしまって。

 相方には1年ほど隠していました。でも遅刻が30分、1時間、2時間と次第にひどくなり、ついにライブに間に合わず、仕事に穴をあけて、隠し切れなくなった。セリフ覚えも悪くなって、舞台でボーッと立ち尽くし、夜中じゅう涙が止まらなくなったり感情もおかしくなりました。

 ある晩は自殺願望が起こって、薬をまとめて飲んだ。ところが薬が効かなくて、翌日普通に起きることができちゃった。「なんだ、死ねなかった」と思って仕事に行ったら、仕事が終わる頃に頭がひどく痛くなって。ホント死ぬかと思いましたよ。いや、死のうとしたんですけどね。

2 / 4 ページ