Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【つんく♂さんと林家木久扇さんのケース】喉頭がん 明暗分けた初動の違い

左からつんくさんと林家木久翁さん(C)日刊ゲンダイ

 ところが、つんく♂さんが受けた治療は当初、「放射線治療と分子標的薬による化学療法を併用した方法で治療を行ってきました」と書かれています。治療法からも、放射線のみでは完治しないほど進行していたことが見て取れるのです。

 案の定、その治療から半年後の昨年秋、がんが再発。声帯全摘手術を受けています。その結果が、あの衝撃告白に結びつきました。

 つんく♂さんと対照的なのが、落語家の林家木久扇さん(78)です。昨年6月ごろ声がかすれたことですぐ受診。「喉頭がんのステージ2」と診断され、放射線治療を受けています。

 平日は週5で通院しますが、1回の照射時間は1分もかからず、痛みも熱さもありません。手術に比べて肉体的な負担の少なさは明らかですが、1969年から“皆勤”だった「笑点」を一時降板。

 治療を終えてからもしばらくは、思うように声が出ず、「喉頭がんは廃業の恐怖と隣り合わせでした」と危機感を募らせたそうです。

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中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。