健康は住まいがつくる

【高断熱住宅】睡眠中の室温が高いと睡眠効率がアップする

(C)日刊ゲンダイ

 では、無断熱住宅から高断熱住宅へ引っ越した場合、睡眠の質に差はあるのか。それについても、伊香賀教授の研究室は32人を対象に検証している。転居によって19人が就寝中の平均室温が上昇し、うち18人の睡眠効率が向上した。

「この検証では、転居に伴う室内の乾燥、音や振動、まぶしさなど、室内温度以外の睡眠に影響する要素の変化も考慮した上で睡眠効率を導きました。その結果、家の断熱性を高めて就寝中の平均室温が向上すると、睡眠効率が約3倍改善することが分かりました」

 高断熱住宅は、寒さだけでなく屋外の熱の侵入も防ぐので、夏の睡眠効率も向上するという。

 さらに面白いのは、家の内装が睡眠に与える影響だ。森林浴にはリラックス効果があることが知られているが、部屋の壁もある程度、木質化(木目のある内装)されていると睡眠にいい影響を与える。

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