健康は住まいがつくる

【照明と睡眠】職場の照明不足が睡眠障害を招く

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 たとえ朝の太陽光が直接入らない寝室や居間であっても、カーテンを開けた窓際は5000ルクスくらいの明るさは十分得られる。窓際まで隣家の壁があるなど、まったく室内に屋外の光が入らないような室内環境の場合には、朝の散歩などで太陽光を浴びるのがいい。

■熟睡できない人は外出や窓際が効果的

 日中の照明の光の量も見逃せない。昼間、ずっとオフィス内で過ごしている人は、照明が暗すぎると睡眠障害を起こす可能性がある。

「一般的なオフィスの照明は500ルクスくらいだと思います。屋外の自然光の数万ルクスと比べて非常に少ない日中の光環境下で過ごしているわけです。日中に明るい屋外で過ごしている人と、室内で過ごしている人の睡眠中の体温を比較する研究を行ったのですが、日中にずっと室内にいる人の方が睡眠中の体温が下がりにくいのです。つまり、夜のメラトニンの分泌が悪くなるのです」

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