Q
工業高等専門学校の教師をしております。3年生の男子生徒についてお尋ねします。中学の頃、「広汎性発達障害」と診断されていたそうです。ただ、成績は非常によく、高校化学グランプリに学校を代表して出場したこともありました。それが4年生になって物質化学の実験が始まるようになると、不器用さが一気に露呈してしまいました。私どもの科には、走査型電子顕微鏡、電気化学測定装置などの高度な備品もあって、この生徒も当然使わなければなりません。しかし、電子顕微鏡などは誰にとっても使い方が難しく、この不器用な生徒の場合、見ていてハラハラすることも少なくありません。卒業研究もあって、多様な装置の使い方には習熟してもらわないといけないのですが、説明しても理解してくれません。
A
この生徒さんの場合、実験は手技的には下手だが、試験の点数は素晴らしい。となると、知識量は十分にあり、仮説を立てて計画を作り、検証するといった“実験の知的プロセス”には十分に対応できます。あとは、技術的なことに習熟できさえすれば、いい実験をする可能性があります。
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