痛みも軽く…「カプセル内視鏡」が大腸がん検診を変える

自費での検査は10万~11万円程度(提供写真)

■下剤の進化で負担軽減

 この2年で変わったのは、まず下剤の量だ。

「当初は合計3.8リットルを飲まなければいけませんでした。欧米の合計6リットルよりずいぶん少ないとはいえ、患者さんの負担が大きかった。今は少量で腸をきれいにする下剤が登場し、3リットル以下も可能という報告も出ています」

 次に、国立がん研究センターでの研究段階だが、「寝ている間に検査が済む方法」も試みられている。実は取材を行った当日は、角川医長自身がまさにそれを試す日だった。検査の流れは前述の通り。しかし、行う時間帯が違う。

「私がいま試みているのは、夕方6時くらいに下剤を飲み、腸がきれいになったら夜8~9時くらいに大腸カプセル内視鏡をのむ。そのまま自宅に帰って寝る。朝起きたら追加の下剤を飲み、大腸カプセル内視鏡が肛門から排出されたら検査は終了という方法です。それ以降は普段の生活通り、朝食を食べて仕事に向かうことができます」

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