胃がん検診に内視鏡も推奨 意外に知らない「医療被曝」リスク

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 国立がん研究センターが新たに発表した胃がん検診のガイドラインが注目されている。これまで同センターはバリウムを飲むX線検査のみを推奨してきたが、今回、初めて内視鏡検査も推奨することとなった。「X線を使わない検査もお勧めします」というわけだ。

 X線といえば、先日、日本診療放射線技師会など12団体でつくる「医療被ばく研究情報ネットワーク」が統一基準をまとめて話題になった。「医療被曝」を避けるためにCT検査やX線検査の被曝線量を基準値に抑えることを提案したのだ。同ネットワークによると、「胃のレントゲン検査の基準値は出していませんが、実施した場合に浴びる放射線量は約3ミリシーベルト」(広報課)という。国際放射線防護委員会は1年間の被曝量の限度を1ミリシーベルトと定めているから、レントゲン検査は限度を超えていることになる。検診で被曝してがんになったのでは笑い話にもならない。国立がんセンターが内視鏡検査を推奨するのも当然だろう。

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