薬に頼らないこころの健康法Q&A

入試前日に眠れない!? 就寝「16時間前」に起きるリズムを作る

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ

 ともあれ、私はこんな調子でしたので、第1志望校の入試の前夜に眠れず、見事に落ちました。1月になってもまだ夜更かしを続けるような生活ぶりでは、試験に合格しません。君は私のような愚か者のマネをしてはいけません。

 君の年齢なら、眠り始めてから8時間は目覚めません。目覚めてから16時間後に眠くなります。となると、眠りたい時間の16時間前に起きるリズムをつくればいいわけです。入試の前日に23時に眠りたいのなら、その16時間前の7時には毎朝必ず起きるようにしましょう。

 これは、土日も同じです。君は今、おそらく土日は少し遅く起きているだろうけれど、これは不可! この時期は「第1志望の試験日の朝、体調がベストになるように」することを目標にすべきです。だから、土日も朝寝坊はしないで、早く起きること。

 私は、いっそのこと、さらに2時間前倒しすることをお勧めします。つまり、「5時起床、21時就床」のリズムです。そもそも入試の日の朝は、遠方の試験会場まで行くことを考えると、早く起きないといけないでしょう。もし、さらに早く起きて早朝の電車に乗れれば、朝のラッシュアワーを避けることができます。入試の当日に混雑した電車に乗るのは、できれば避けたいものです。

2 / 3 ページ

井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。