透析を始めると、行く先々で舞台の前に透析を受けなければいけないし、食の制限は地獄でした。水はなめる程度しかとれず、汗をかくと目まいに襲われる。コンサートの後にスタッフと食事に行っても外食は食べられません。周囲には病気のことは一切言っていなかったので、その場にいることもつらかったんです。
発病から2年、日々節制しても体調は悪化するばかり。
■尿意があることのありがたさに気づいた
声はますます出なくなるし、歌手を辞めるしかないかと思っていたら、弟から腎臓提供の話がありました。弟は発病当時から腎移植の覚悟をしていたそうで、さらに弟のお嫁さんが「あなたがやらなくてどうするの?」と弟の背中を押してくれました。かけがえのない夫の体にメスを入れることに理解を示してくれた義妹には本当に感謝、感謝です。
独白 愉快な“病人”たち