脳を育てれば健康になれる

合格後に深刻化することも 「受験うつ」から子供を守る方法

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 普段は元気なのに、仕事や勉強など嫌なことを強いられると途端に「うつ状態」になる。いわゆる「新型うつ」は「単なる怠け者病」と見られることも多いが、受験生の中にはそうした症状を持つケースが多い。しかし、受験生の「新型うつ」は「受験うつ」というべきもので、放っておくとその後「真性うつ」に移行しかねないから厄介だ。

「受験うつ」(光文社新書)の著者で「本郷赤門前クリニック」の吉田たかよし院長が言う。

「子供は友達と取っ組み合いのケンカをしたり、悩みを打ち明けたり、五感をフルに使ったコミュニケーションによって成長していきます。ところが、最近はこのコミュニケーション能力が退化している。これが新型うつ=受験うつの原因です」

■「希薄な人間関係」と「間違った勉強法」

 吉田院長に言わせると、コミュニケーション「退化」の大きなベース要因は、急速に普及しているインターネット、スマホ、ゲームなど。人とのかかわりなしでも長時間過ごせるツールが急激に発展したためだという。

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