バリウム検査は、X線画像に映る凹凸で病変を見つけるため、凹凸がないような早期の病変は見逃しやすい。武藤氏のがんは早期のスキルス性胃がんで、この点についても「胃粘膜の色が少し違っていたんです。凹凸がないから、バリウム検査では絶対に見つからなかった」と週刊ポストで語っています。
ピロリ菌感染がある場合、除菌した上で、定期的に胃カメラ検査を受けていれば、怖いスキルス性胃がんの早期発見も可能なのは、このような理由から。どちらが欠けても、よくないのです。
除菌は、抗生物質を1週間飲むだけ。服用中は下痢などでお腹がゆるくなることもありますが、まずピロリ菌の検査をして、陽性の方は除菌しましょう。除菌に成功すれば、胃がんのリスクは減ることが期待できますが、感染の履歴が消えるわけでなく、胃がん検診も欠かせません。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁