薬に頼らないこころの健康法Q&A

理系科目に興味が持てない… 医学部志望を変更すべきか

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ


 医学部志望の高校生です。父親が開業医なので医師になることを期待され、中高一貫の高校に入りました。当初、首都圏の医学部を考えて理系に席を置いていますが、「数学」「物理」「化学」に興味が持てず、徐々に他の生徒に置いてけぼりにされてしまいました。その一方で、読書が好きなので「国語」「英語」は得意です。今では理系に進んだこと自体を後悔しています。いっそのこと文系に転じて、文学や哲学をやりたいと思うようになりました。親に話したら、猛反対されました。


 最終的には君の人生はほかでもない君自身が決めることです。でも、「数学」「物理」「化学」が苦手で、「英語」「国語」が得意なら、むしろ医学部の方が向いているかもしれません。

 医学部は理系の生徒が行くところですが、入学と同時に「数学」「物理」「化学」の高度な知識はほとんど使わなくなります。だから、君とは逆に、「数学」「物理」「化学」が得意な生徒は、医学部に進むとせっかくの才能を無駄遣いすることにもなりかねません。工学部や理学部に進めば、「数学」「物理」「化学」を高校時代よりもさらに進めていけるので、自分の得意分野を生かした充実した人生が送れるはずです。だから、本来理系でトップの秀才は医学部なんかに行かないで、理学部や工学部に進む方がいいのです。

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井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。