寝ても抜けない“酒疲れ”は「ビタミンB1不足」に原因あり

しっかり寝ても解消できない(C)日刊ゲンダイ

「ビタミンB1には糖質をエネルギーに変え、脳や神経を正常に保つ働きがあります。これが不足するとエネルギーが足りなくなって全身が疲れやすくなるうえ、神経が正しく機能せずイライラしたり、足がむくんだり、動悸など心臓に問題が生じたりして、最悪、亡くなることもあります」

 かつての日本ではビタミンB1欠乏症は「かっけ」と呼ばれ、結核と並ぶ2大国民病とされてきた。玄米を精製してできた白米を食べるようになった江戸時代以降に患者数が増加。「かっけ」による心不全などで、大正時代までに毎年数万人が命を落とした恐ろしい病気だ。

 栄養状態が格段に上がった現代では、豚肉、ウナギ、イクラ、玄米などビタミンB1が豊富な食品を普通に食べていれば問題ない。しかし、偏食の人、ダイエットで食事制限している人、胃を切除している人、小腸や胃での栄養吸収を阻害する薬を飲んでいる人などはビタミンB1不足に陥る可能性がある。

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