寝ても抜けない“酒疲れ”は「ビタミンB1不足」に原因あり

しっかり寝ても解消できない(C)日刊ゲンダイ

 さらに恐ろしいのはビタミンB1欠乏症が進行すると、認知症と同じような症状を起こすことだ。

「これを『ウェルニッケ脳症』といいます。脳内の神経障害により、まっすぐ歩けなくなったり、眼振が起きたり、物忘れをするようになります。中には本人が意識していないにもかかわらず、作り話をするようになるケースも。見た目は病気と分からないから、人間関係を損なう原因にもなります」(林院長)

 むろん、ビタミンが足りないからといって、すぐに発症するわけではない。「眼球の動きがおかしい」程度なら断酒して、ビタミンB1を3~5日ほど投与すれば多くは改善する。しかし、それ以上の症状だと治療が長引くことがある。疲れはビタミン不足が原因のケースがあることも知っておこう。

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