さらに恐ろしいのはビタミンB1欠乏症が進行すると、認知症と同じような症状を起こすことだ。
「これを『ウェルニッケ脳症』といいます。脳内の神経障害により、まっすぐ歩けなくなったり、眼振が起きたり、物忘れをするようになります。中には本人が意識していないにもかかわらず、作り話をするようになるケースも。見た目は病気と分からないから、人間関係を損なう原因にもなります」(林院長)
むろん、ビタミンが足りないからといって、すぐに発症するわけではない。「眼球の動きがおかしい」程度なら断酒して、ビタミンB1を3~5日ほど投与すれば多くは改善する。しかし、それ以上の症状だと治療が長引くことがある。疲れはビタミン不足が原因のケースがあることも知っておこう。