独白 愉快な“病人”たち

元横綱・芝田山康さん(53) 睡眠時無呼吸症候群

芝田山康さん(C)日刊ゲンダイ

 現在は保険が適用されますが、CPAPは当時、全額自己負担。機内持ち込み用トランクくらいの大きさで1台30万円もするものを2台も買い替えて使っていました。ところが、CPAPを使い始めたら脂肪が落ちてきたんです。病気を治すために、痩せるのは必要なことです。でも、師匠からは「体が萎んできてるぞ。変なものは使うな!」と叱られました。実は、酸素が脂肪を燃焼するのだそうです。

 食事制限で体重コントロールがうまくできなかったのも、この病気が一因でした。「弟子の私がそれを説明するよりは……」と思い、師匠の知り合いの医師と担当医から、酸素と脂肪の関係や心臓への負担、深夜のトイレの原因、CPAPの有効性などを師匠に説明してもらったんです。その帰りの車の中で、やっと師匠は「おまえは病気だったんだな」と言ってくれました。

 いびきがひどく、首が太くて見えないような人は、一度は検査した方がいいと思いますよ。鼻孔を広げるテープなどは意味ありません。問題は喉の奥の気道なんです。

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