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【腹部ヘルニア】聖路加国際病院・ヘルニアセンター(東京都築地)

左は聖路加国際病院・ヘルニアセンター(東京都築地)の柵瀨信太郎センター長(日本ヘルニア学会理事長)(C)提供写真
脱腸手術の駆け込み寺

「ヘルニア」といえば腰の病気と思われがちだが、それは間違いだ。部位に関係なく、体の組織があるべき位置から脱出した状態を指す。同センターは、腹部の筋膜の一部が弱くなり、腸などの臓器が外に押し出された成人の「腹壁ヘルニア(俗称・脱腸)」の専門の診療部門。柵瀨信太郎センター長(日本ヘルニア学会理事長=写真)が言う。

「腹壁ヘルニアの治療法は手術しかなく、一般外科の中で最も多く手術が行われる病気です。ところが、難易度の高い手術に慣れた施設は意外に少ない。当センターは、他院で治療困難とされた患者さんも積極的に受け入れており、初診の半数以上は紹介患者さんです。特に腹壁瘢痕ヘルニアは紹介が多く、腹腔鏡手術も多数行っています」

 難しい症例に対応するには、豊富な実績と熟練度の高い医師が必要だ。同院は総合病院なので他科の専門医との連携も可能。鼠径部ヘルニアは、ベテラン麻酔科医の管理下で行う侵襲性の低い局所麻酔などにより、持病がある患者にも手術が行える。

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