心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を担っていて、休みなく動き続けています。生命を維持していくためには欠かせない臓器です。そんな心臓の筋肉に異常が生じ、重症の心不全などになってしまった場合、ポンプ機能を復活させるために心臓移植が必要になるケースがあります。
しかし、移植は心臓を提供していただくドナーが必要で、どうしても限界があります。患者さんが希望しても、すぐに移植手術を受けられるわけではありません。そこで、クローズアップされているのが「人工心臓」です。
ただ、現在の日本では、人工心臓の適用は移植を待機している患者さんの「ブリッジユース(橋渡し)」が前提で、そうでない患者さんは健康保険では認められません。人工心臓の価格は、最新のタイプだと製品だけでも1600万~1800万円と高額で、そこに手術などの治療費がプラスされます。高度先進医療の部分を民間の医療保険で賄ったとしても、トータルで2000万円くらいかかります。誰もが受けられる医療とは言えないのが現状です。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」