これまでお話ししてきたように、夏は冷房の影響、冷たい物の取り過ぎ、夏特有のストレスなどが原因で、自律神経のバランスを崩しやすくなります。これが「夏バテ胃腸」を招きます。
そうなると免疫力も低下するため、さまざまな感染症にかかりやすくなります。しかも、日本特有の高温多湿な夏は、腸管の感染症、特に「細菌性腸炎」が起こりやすい環境といえます。
細菌性腸炎は、O-157、サルモネラ、カンピロバクター、ブドウ球菌といった細菌に感染することで発症し、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が表れます。
また、免疫力の低下により、ノロウイルスやロタウイルスなどの「ウイルス性腸炎」にもかかりやすくなってしまいます。こちらも、下痢、嘔吐、発熱といった症状が表れます。
これらの感染症は、適切な治療を受ければ通常1週間程度で細菌もウイルスも胃腸から消えるため、完治すると考えられてきました。しかし、実際にはそうではないことも分かってきています。
夏バテ胃腸は秋口に立て直せ